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1998年7月10日(金) ヨーロッパ歴史訪問記中間総括(その1)
-多様性と歴史の深さ、中央集権と分権の相克-
ロンドン赴任は1997年7月10日ですのでちょうど1年過ぎたところになります。個別の紀行文でその都度いろいろな感想をお話ししましたが、この辺りでヨーロッパ紀行の中間総括をしてみます。
最初は旅行のコツ。山と同じで、何より早起きです。1日の有効活用時間が増え、カバーできる範囲が広がります。B&Bの朝食は通常8時半ですが頼み込めば7時でも6時半でも対応してくれます。
1日の有効時間延長のもう1つの方法は夕方遅くまで、最終日にはフライト搭乗時間ギリギリまで粘ること。日曜日のロンドン帰着が遅くなり月曜日に疲れが残る面はありますが、ヨーロッパ旅行の目的が暇つぶしですので月曜日まで旅行の余韻が残るのはその分1週間が短くなり好都合でもあります。
次に重要なことは山と同じで荷物を切りつめること。私はいつも飛行機の持込荷物だけで動き回っていますが、手荷物受け取りの待ち時間もなく、荷物を持ちながらの観光もでき行動の自由が格段に広がります。
もう1つは飛行機で窓側の席を取ること。通路側の席の方が動きやすいとのことで日本人には人気が高いようですが、トイレに行きたくなれば席を空けてもらえばいいわけで遠慮せず少しは図々しくなることも必要です。ヨーロッパ内では大した距離ではありませんし、都市にしろ自然景観にしろ高度1万メートルからの眺めを楽しまない手はありません。
最後に事前勉強の必要性。海岸で寝そべるトップレスの女性を見るためにもガイド・ブックの情報は有益ですし、歴史・風土についての事前情報があった方が旅行を楽しめます。私は昭文社のエアリアガイドを利用していますが、地域、国ごとに著者が異なることもありレベルはまちまちですが概ね満足しています。
法学部山の会で昭文社の山岳マップを利用していた義理からのお世辞でなく公正な意見です。なお、ガイド・ブックだけでなく、歴史書等により知識を広げておけば感興がより深まります。私のネタは中央公論新社の『世界の歴史』シリーズと塩野七生の『ローマ人の物語』シリーズおよび他の単行本で、そんなに重くなく旅行に持って行っても負担になりません。
そういえば最近ロンドンで売れているガイド・ブックに『Eyewitness, Travel Guides』があり、豊富なイラスト、写真入りで、キャッチフレーズは The Guides That Show You What Others Only Tell Youです。どこかの出版社で日本語版を出してくれないでしょうか。