アストラルな池を潜り抜けて
「お前は夢の中で、自分の呼びかけに応えてくれる素朴で内的な存在に出会ったのだよ」
不意をつかれて、フォールはびっくりしてしまいました。でも、それが誰であるかは、すぐにわかりました。「ミカエルさま! 来てくださると思ってたんですよ」フォールはにっこり笑って言いました。「本当にもっと説明が欲しかったんです。強烈な夢だったのに、わからないことが多すぎて」
「あの旅は、修行とも言えるし、回復の旅とも言えるのだ、フォール」大天使ミカエルは答えました。「回復の旅?」フォールは戸惑っていました。「誰を回復させていたの? 女の子?」
「お前自身だよ、フォール。お前自身の様々な側面だ」
「えぇっ?? じゃぁ、あの特別な存在も、ぼくの一部だったってわけ?」フォールは啞然としてしまいました。「あの存在も、女の子も、大きなガイドも、あの池ですらも皆、お前の多面的な自己の一部なのだよ」
「あの池までも??」思わずフォールの眉が吊り上がってしまいました。思いもよらぬことでした。「池もぼくの一部? ど、どうやって?」
「池はね、フォール、お前の執着や欲望を、そして、憧れがもたらす未解決の問題を表しているのだよ。光の届かない闇のどん底に、意識が感情のロープに縛られ、自我に騙されて、無意識に反応してしまうどん底にお前を引きずり込んでね」