ベルリンの再生

バイオマス設備の議事堂

キューポラの屋上から市内を一望のもとに眺められる。中心部に緑が多い。バスストップへ戻って再びシティ・サークルを待つ。道路に東西の壁の跡が記してあるのが痛々しい思いがする。バスが来たのでオープンの二階席へ坐った。どの席でも日本語のイヤーガイドが装置してあるのはありがたい。地上はカンカン照りだが二階は涼風が吹き抜けて実に心地よい。ここはベルリンの天国だと思った。

ティアガルデンの森に入る。ブナやリンデン(菩提樹)等が多い。パリのブーローニュの森のような整備されたものとは違って原始林の感がある。特に下草を刈ってないので、昆虫など発生し放題である。ベルリンでアブやハエが非常に多い要因は、この辺りにあるようで、徹底した環境重視とも言えるし、歴史的には英仏のような貴族制度が30年戦争のような内戦で壊れて、庭園の感覚が普及しなかったのも原因であろう。

夕方はベルリン祭の屋台でビール、黒ビール、焼きソバ等食べまくった。庶民の明るさはどこも同じだ(14.9ユーロ)。

トルコ移民問題など抱え

第七日は見残した建物等を見て回った。昨日通ったチェックポイント・チャーリーは東西壁の旧跡だが、付近では「GSW管理本社」「カントドライエク管理ビル」等奇抜なビルを見物した。特に商工会議所はアルマジロの愛称を持ち、どの角度からも木々に妨げられて全景写真が撮れない。

それから折角来たのだからZoo(動物園)に入場した。この動物園は都心部にあることや、自然の環境を生かした最初の自然動物園であることで知られ、親しみを感じる。中は非常に広く、一部しか見られなかったが、ゾウやパンダや夜行動物館などが面白かった。

320万の人口を擁するベルリン市には大都市並みの問題がいろいろと起きている。一度東西に分裂した歴史を持つので事態はむつかしい。人種問題としては西側のトルコ移民問題などがある。気候の点では北方的で夏の冷房はまず必要ない。問題は冬の暗い雲に象徴される寒さである。暖房は必須で、その点を考えるとポツダム広場の総ガラス張りはやはり熱エネルギー的な面では不利であり、今後の課題であろう。

郊外の多くの湖に囲まれているが、この都市は地下水をエアレーションして清潔な飲料水としている。少なくとも西側の水道水は飲める。帰国の待ち合わせにホテルのロビーで待っていたら、正確な約束時間午後3時に現地係員のカトリーヌが入って来た。