筋肉を付けるためには、筋肥大のメカニズムを正しく理解し、そのメカニズムが十分に発揮されるよう正しいトレーニングを積む必要がある。筋肉は、大きな負荷を繰り返し受けることで、その負荷に適応して太く発達する。このメカニズムを応用したのが筋肉トレーニングである。

筋肥大を引き起こす負荷は、主に次の4つが挙げられる。①強い筋肉の張力、②筋繊維の微細な損傷、③無酸素代謝物の蓄積、そして④筋肉の低酸素状態である。順番に説明しよう。

まず、筋肉が張力を発揮すると、それが負荷となり筋肥大を促す信号になる。次に、筋肉が収縮すると、微細な損傷が生じ筋肥大を促す信号となる。更に、乳酸や一酸化炭素といった無酸素性の代謝物が体内に蓄積され、筋肥大を誘発するホルモンの分泌を促す。なお、筋肉の緊張状態が続くと低酸素状態となるため、主に酸素を使って代謝を行う遅筋より、筋肥大し易い速筋が優先的に動員されることも判っている。

トレーニング一つ取っても、中級者でも週に4回、上級者になると週に6回行うのが普通だ。未だ中級者の私でも、トレーニングの基本メニューは、全身の筋肉を4つの群に分け、1日一つの筋肉群だけを鍛えている。典型的なパターンは、①胸・上腕三頭筋②背中・上腕二頭筋③肩・腹④脚という感じになる。

皆さん、栄養が偏った不健康な減量方法に別れを告げましょう。単にダイエットしても、脂肪は落ちずに逆に筋肉が落ち、皮膚が伸び切ってしまいます。人間が持つ筋肥大のメカニズムという素晴らしい仕組みを利用して、筋肉を付けるのです。基礎代謝を上げることで、健康的に痩せることができます。