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究極の選択
(選択1)を選んだ場合
胃瘻造設はうまくいき、特にトラブルもなく約1週間で白湯から注入が始まった。少々下痢気味になったが、整腸剤などを使用しながら1日1000キロカロリーの維持量にて管理されるようになった。
当初は血液中のナトリウム、つまり塩分が低下し、経管栄養剤に食塩が少量(1日3グラム)追加されて落ち着いた。病院での入院期間が長期にわたったため、益田医師から在宅介護を行っていくのか、それとも長期介護施設入所を選択するのか、また大変な決定を迫られた。これもある種の「究極の選択」である。
実は、胃瘻増設後に長期介護に至った場合の究極の選択にも、数多くの悩みがつきまとう。自宅で介護するのか、あるいは施設で見てもらうのか、この選択は多くの家族が頭を抱える、あるいは家族間で意見が分かれる問題である。
この問題は、ここでは割愛して、介護する場所が決まったあとの問題について、少し紹介してみたい。
(1)長期介護を自宅で行う場合
自宅で胃瘻を実施しながら介護するというのは、いくつかの観点から、家族にそれなりの負担がかかる。
まずは、胃瘻の管理の負担がある。胃瘻には、たとえば胃瘻部の皮膚のただれ、発赤・感染、あるいは胃瘻部位からの注入物の漏れなどさまざまなトラブルがあり、それに対する気づきが必要となる。それに気づいて、訪問看護師や往診時の医師に報告するとともに、対処法を指示してもらう必要がある。