昼に美代子シェフの店へ行くと、夕方迄に必ずつくっておきます。まかせて下さい、と頼もしい言葉がかえってきた。面倒な仕事を頼んでいるので、簡単にできる餃子とライスを頼んだ。餃子がとても美味しい。
公園へ戻りパトロールをする。ベビーカーの母親達とお喋りをする。
定時になったので報告書を役所へ出し、会社へ下番報告を入れ、美代子シェフの店へ行った。
カウンターに若い男性客が三人、焼売とチャーシュー、ザーザイを肴にビールを飲んでいた。私の顔を見ると、美代子シェフは冷蔵庫から真空パックにしてある中華粥をとり出した。
「中へ入れて召上がる具は別の袋にパックして名札をつけておきました」
小さ目の真空パックを添えてくれた。手提げの紙袋に中華粥を五袋、五種類の具、それに“油条”という小麦粉でつくって油で揚げた棒状のもの迄入っていた。
「驚いたなァ、油条迄つくってくれたんですか」
「お粥につきものですから」
笑いながらもう一つの手提げ袋に中華粥と具、油条を入れてくれた。
「こちらが野原さんの分です」
私は感心してしまった。本当に行き届いた娘さんだ。彼女に礼を言い、代金を払い、三人の男性客にも軽く頭を下げて表へ出た。