第一章 ヨーロッパの発見 (多様性と歴史の深さ、ナショナリズムの変容と地域主義の台頭、イギリス王朝史他)
(1) 1997年12月13・14日(土・日) ヴェネツィア紀行-水の都、水上の祝祭都市-
先週は金曜日のミラノ支店出張終了後、土曜日、日曜日に水の都、アドリア海の女王ヴェネツィアに行ってきました。ミラノ支店に仕事があったのは事実ですが出張日を金曜日にしたのは土・日にイタリアのどこかの都市を観光しようとの魂胆があったことは否定しません。
ミラノ支店長との会食があり金曜日夜はミラノのホテル滞在となりましたので、土曜日は朝一番の列車(午前6:07)に乗り、ヴェネツィア到着はちょうど9時。駅前広場は運河に面していて、水上バスか水上タクシーで中心街に向かいます。ゴンドラもありますが、全くの観光用で値段も高く実用的ではありません。
ヴェネツィアは8~9世紀頃、沿岸に居住していたヴェネト族が異民族の侵略・略奪を避け海中の干潟に住居を移したのが始まりで、地中海、アジア貿易と海軍力によって16世紀にはアテネ等のギリシャ都市、キプロス島等を領有し海上帝国を築きました。大西洋航路の発見以来衰退し、現在は7万人の住民に対し年間観光客が12百万人の観光都市です(観光だけの都市と言うべきかもしれません)。
ガイドさんが言っていましたが、物価は高くスーパー・マーケットも手頃な食堂もなく、住民にとっては住みにくい町だそうです。最近地盤沈下が激しく、大潮の時には冠水するところもあります。10年間で2~3センチの割合で沈下中とのことですので、皆さんも沈んでしまう前に早く観光することをお勧めします。土曜日朝歩いた路面にところどころ水たまりがあり、数十センチの高さの歩行用板が設えてありましたので前日まで冠水していたようです。