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〈修復へ〉

このことがあって、私は夫を問いただし、なぜ子どもたちが大変な時期に、こんなバカげたことを必死でやっているのかを尋ねたのですが、本人はキョトンとしています。

なぜ妻がこんなにも怒っているのかが理解できないといった様子。

一応、話し合うという形をとりましたが、話し合うというより、私が一方的に怒っていました。

夫は、彼女と個人的に会った経緯について弁解していましたが、その理由はなんとも理解しがたいもので、余計に不信感がつのりました。

その理由は、「彼女がチームを辞めたいと言っていて、それでどうしても俺が引き留めるべきだと思った」

意味がわかりませんでした。

娘たちが必死で受験に挑んでいるときに?

塾や学校や予備校などを走り回って、私が必死でサポートしているのを見てもいないのでしょう。

そんなどうでもいいことのために、必死で女性を誘って、そんなつまらない話をしていたなんて!

このことがあってから、私もいろいろ考えました。

この人との将来を、この人との老後を、一体どうやって乗り切るべきか。

この調子では、いつかまた同じような不愉快な出来事が起こるに違いない。

でも、この歳で離婚?

いや、同じ会社で私の親族と同じ敷地に住んでいる。

離婚は無理だ。

あまりにも接点が多すぎる。

離れることはかなり困難。

私は、ここで一度だけ、もう一度だけ夫婦として修復を試みようと思いました。

今回のことも、いままでのことも、すべて一度水に流し、子どもが大学生と高校生になるこのタイミングで修復できるかやってみようと。