家族の到着 職探し ─カナダ生活の始まり─

六月七日に妻と子供二人がトロント空港に着いた。

その日は暑い真夏日だった。

カナダは寒い国かと思って厚着していた。

バンクーバーに二日滞在してからカルガリーに寄りここでも観光、例のペンフレンドに会ったそうだ。

彼は妻が独身と思い込んでいたらしい。

さぞガッカリしたことだろう。

あちこち見物しながらとにかく無事着いた。

呑気な新移住者だ。

アパートでの生活が始まった。

貨物はまだ着いていない。

一通りの食器、炊事道具、寝具、半端ものを売っているデパートでベッドやソファなどを安く買っておいた。

当面の衣類は近くのスーパーで買える。

子供の学校のこと

まず娘と息子を小学校に入れなければ学校は七月から夏休みになる。

日を置かず近くの小学校に連れていくと、即日娘は二年生、息子は一年生に編入された。

移住者の子弟は特別クラスに入りカリキュラム以外の英語を習うことができて、移住者の援護システムが整っていると思った。

すぐ友達ができ、三か月も経たぬうちに友達と話せるようになっていた。

子供は適応能力が優れているのだろうか。

政裕のRとLの発音がおかしいと言い出した。

これは知っていたがこれだけは直すことが難しかった。