マイクロプラスチックや海洋プラスチックが問題となる中、食にかかわる食器.容器.調理器具や玩具等は、プラスチックやアルミ、テフロン製品を選択せず、ガラス、ステンレス、天然ゴム製パッキングを使ったり、木製玩具を使ったりする人々である。さらに最近は、風呂敷が見直されているほか、蜜蝋ラップ、紙ストローのようなものもある。

我が国の農林水産物の輸入額は、約9兆5198億円で、貿易収支は、約8兆6077億円の輸入超過となっている(農林水産省「農林水産物輸出入概況(2019年)」)が、国内で環境に配慮した食料品等が生産され、これらを選ぶ人が増えれば、海外に流出しているこの輸入代金が地元の農林水産業者に支払われ、地方の経済の活性化にも資する。

東京都立大学教授で子ども・若者貧困研究センター長の阿部彩によると、野菜の摂取頻度は、家庭の経済状況と明らかに関連があるという(『子どもの貧困と食格差:お腹いっぱい食べさせたい』阿部彩大月書店2018年)。

BIの給付によって実質所得が増えれば、たとえば、遺伝子組換の穀物等の飼料で工業的に育てた肉や化学肥料と除草剤漬けの農産物ではなく、土壌に炭素を溜める効果を持つことが証明されている炭素固定農法と呼ばれる農法(被覆作物、輪作、農地を耕さないで作物を栽培する不耕起栽培等)による農産物を、水産物なら海洋管理協議会(MSC)の認証を受けた商品を選択することができるようになる。

特に食肉に関しては、平飼いで、輸入穀物飼料ではなく国内の牧草で飼育された肉は、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスがよく、かつ抗生物質の過剰投与による耐性菌の出現を抑制することができる。さらに、生活に余裕が出ることで、関係人口を増やす効果やNPOでの活動やボランティア活動に携わる人が増える。

「市民の社会貢献に関する実態調査」(内閣府2019年度)によると、ボランティア活動に参加したことがある人は17.0%であるが、参加の妨げとなる要因(複数回答可)としては、「参加する時間がない」が51.4%と最も多く、以下「ボランティア活動に関する十分な情報がない」「参加するための休暇が取りにくい」「参加する際の経費(交通費等)の負担」の順に挙げられている。