「グッジョブ運動」では知事本人が旗振り役を引き受け、県庁スタッフを引き連れて各種企業、経済団体などを次々廻り始めた。県内各市町村はもちろん全ての県民に雇用の場の拡大・確保を呼びかけた。仲井眞知事としては、公約の一番目に掲げた失業率改善の取り組みを目に見える形で実践してみせる姿勢が必要だった。

職場開拓=仕事探し、すなわち企業誘致に力を入れる仲井眞県政の本気度を示そうと、県民各層を網羅した「グッジョブ運動」推進の一大県民大会まで開き、日本政府や全国の経済産業界にアピールした。歴代の県政にあって、失業率改善のために県民運動まで実行したのは仲井眞県政をおいてほかにない。

仲井眞の知事就任以来、7%だった完全失業率は毎年6%、5%、4%と改善率の勢いを伸ばした。「グッジョブ運動」開始から13年後の2019年2月、先述したように全国平均を初めて下回る2.1%を記録するに至った。

仲井眞県政の失業率改善の功績については、2014年1月の沖縄県議会臨時議会で与党議員が、「長年の課題である失業率について、昨年18年ぶりとなる4%台を3度も記録した。就業者数は過去最高の66万人を突破した」と産業振興や雇用拡大の実績を評価した記録がある。

また県議会では、国際物流貨物ハブ事業や航空機整備施設建設(現在のMRO)、情報通信関連(IT先端技術産業)など260社を超える企業誘致で数万人の雇用が実現した実績を訴え、「復帰後最大の経済的活気にあふれた自立型経済の構築が完璧な軌道に乗りつつある」と沖縄社会を成長軌道に乗せた仲井眞県政に言及している。仲井眞県政は、二期8年の間に自立型経済社会の土台をしっかり築いていたのである。