盛んなICT教育
デジタル機器を使いこなす子どもたち
小さな子どもたちがコンピュータに向かって算数の問題に取り組んでいた。小学校1年生の生徒だ。
子どもたちはコンピュータの扱いには慣れた様子で、各自で操作している。キーボードを巧みに打つ子も少なくない。私よりずっと速い。
教師は歩きながら一人一人のパソコンを覗き込み、必要に応じてアドバイスしている。1年生でここまで使いこなせるのかと驚いた。
就学前のクラスでもタブレットを使って授業が行われていた。小中学校では学校のコンピュータを使うのが一般的だが、ハイスクールでは近年は自分のコンピュータやタブレットを持参することが推奨されている。
「BYOD(Bring Your Own Device)」
と呼ばれている。コンピュータがない場合は学校のものを借りることができるので、授業ではコンピュータがほぼ全員に行きわたっている。
オーストラリアの学校は授業でデジタル機器が盛んに使われている。1990年代に初めて訪れたときにもパソコンはかなり導入されていた。日本の学校ではやっとコンピュータ教室が設置されたころだった。
コンピュータを使うのはまだ一部の教師で、私自身もコンピュータには不慣れだった。オーストラリアは日本よりずっと進んでいると驚いたことを記憶している。
小学生からプログラミングやロボット工学
日本では2020年からプログラミング教育が開始されたが、まだ手探り状態という学校も多い。
オーストラリアでは2016年からSTEM(Science,Technology,Engineering and Mathematics)教育の一環としてICT教育が行われている。
STEM教育は、科学、技術、工学、数学の教育分野を総称するもので、2000年代にアメリカで始まった教育モデルと言われている。