PQQとは何か?

太田成男日本医科大学名誉教授によると、認知症の人の脳を調べると、ミトコンドリアの量が少なく、エネルギーをつくる機能が下がっていることはわかっているそうですが、この事実だけをもって「ミトコンドリアが減ると認知症になる」とはいい切れないそうです。

なぜなら、ミトコンドリアが減った結果が認知症なのか、認知症になった結果、脳のはたらきが悪くなってミトコンドリアが減ったのか、はっきりしていないからです。

しかし、最近の研究によって、ミトコンドリアがつくり出すエネルギーの低下が認知症の原因の一つであることがわかってきたので、普段から脳の血流量を増やし、十分に酸素を供給することによって、ミトコンドリアのエネルギーを作る能力を高く保っておくことが認知症に有効であることは間違いないようです。

私も古希を迎え、健康長寿について強い関心をもつようになりました。なかでも認知症の予防を考えることは、私にとって非常に重要な関心事となっています。

こうした事情もあって、太田先生のご著書をむさぼるように拝読しているうちに、ますますミトコンドリアのことを知りたくなったので、いろいろ調べてみました。調べていくなかで、「PQQ」という聞きなれない成分があることを文献で知り、詳細について調べてみました。

すると、PQQにはミトコンドリアを増やすはたらきがあるだけでなく、なんと寿命延長作用や神経成長因子の増強、睡眠の質の改善などさまざまな有用性があることがわかったのです。大いに興味を惹かれて調べているうちに、私はすっかり「PQQ」のとりこになってしまいました。PQQがどんな成分であるのか、これからお話しします。