大学受験
このように、はっきり言ったら高校生で勉強はしなかった。いや、わからなかった。外来通院や体調不良でちょくちょく休むから。
数学や英語は、1日休めばもう何もわからない。だから、テストで2点とか14点とか当たり前になっていた。未だに授業の名前すら理解できない。英語のⅡCとか、微分積分、基礎解析、βとかθとかΣとか、サイン、コサイン、タンジェント。皆さん、わけがわからないと思いませんか?
こういった勉強がいま、実生活で役立つとかいうと殆ど、まったく役に立たない。なーんて言うと、その方面の方からお叱りを受けるかもしれない。
そんなこんなで学校の成績は、2年、3年と赤点ばっかり。10段階評価で2が3個くらいあった。もちろん、夏休みなどは補習と追試験。古文もだめで、3年になって文系を選んだから、追試験は英語、古文だった。とりあえず補習して何とかパス。
こんな感じだから進学なんて考えたこともなかったけれど、ある日新聞の広告面に「帝京平成短期大学」という広告を見つけた。受験科目は……何と国・数・英・理・社から1科目選択で受験可能とのこと。僕は日本史・世界史はとても得意だったので、「よっしゃ。これなら何とかなるかも」とほくそ笑んだ。
だが、母親が高校のPTA役員で高校に赴いたとき、先生にこう聞いたそうだ。「うちの子は進学できるのか?」と。そうしたら先生は、
「うーん。畑中さんは、進級できるか卒業もできるかわかりませんねー」
と答えたそうで、母親は大変驚き、帰って来るなり、
「アンタ、何やってんの? 成績、2が三つ? 母さん恥ずかしくてたまらなかったよ!」
と言ってきた。
でも、こちらから言わせてもらえば、自分の頭のなかの身の丈に合わない高校に進学したんだからある程度仕方なくないか? 僕はランクを下げたB高校でお願いしたんだけどなあ。やれ、履歴書に書くのが恥ずかしくないかとか、世間の目とか、そんな理由でA高校受験させた親も悪いんじゃないの? この時はそう思って疑わなかった。