企業の多額の内部留保に関しては、デフレになれば、企業が儲けた金を使わずに、貯金ばかりするようになっていくことについて批判する立場から、(法人)金融資産税を適用することも考えられる。
たとえば、予備費として認められるべき一定額を超える過剰な内部留保に対して個人と同等以上の金融資産税を課すのである。内部留保は最近では400兆円以上あるので、税率1%なら4兆円、2%なら8兆円程度となる。
一方、それだけ内部留保が貯まったのは、過去何十年にもわたって株主が、内部留保を貯めておくことが将来の会社の発展につながるという合意をしたからとも考えられる。
これは、地方自治体が税収不足に備えて財政調整基金に積み立てるのと同じである。
つまり、研究開発の機が熟したときに、あるいは災害が起きて復旧せねばならぬとき等に使うように備えているものという面もある。
そこで、一律に課税する代わりに福祉施策に寄付できるような仕組みを設け、「公益資本主義」の担い手として企業名、寄付内容、寄付額を政府が公表してはどうか。
ベーシックインカム(BI)を導入すれば日本は大きく変わる
正社員と非正規雇用者の二極化が指摘されている。
非正規雇用は低賃金で十分な福利厚生もなく、単価の安いダブルワークで金銭的な不足を補おうとすれば、家族との時間が削られる。
反対に、正社員は相対的に高い給与を得ているが、長時間労働のほか転勤があったり、過大な責任や負担を負わされ肉体的にも精神的にも追い詰められたりする職場も少なくない。
このような現状において、BIはどんな意義があるかについて検討していこう。