先生の指さすレントゲン映像の 胸の曇りはおほによしなし

 

湯にひたす我が足の細り母上は 嘆き言ひつつ洗ひたまへる

 

起き出でて肌着を替へし清しさに 軒の雀の囀り聞くも

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『短歌集 蒼龍の如く』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。