国による直轄事業とする
国が方針を決めあとは地方にやらせる、という今までに多かった方法はとるべきでない。理由は、今の日本では県レベルでも市町村レベルでも規模が大小さまざまで、その推進能力に大きな差があり国民の間に不公平感をもたらすことになるからだ。
またどうしても地域間競争や我田引水によって、国の作る最適プランが実現せず、違った形の骨抜きのものになってしまう可能性が高いからでもある。
(1)実施のための専門省庁を作り、副総理クラスの実力者を担当大臣に充てる
このことに特化した省庁を作り、副総理クラスの大臣を据え、官民から志の高い人材を高給で迎える。また全国に出先機関を設け、これに関わるすべての仕事をする。命令系統はトップダウンとし、縦割りによる弊害が起きないようにする。
菅内閣になってから計画されているデジタル庁も、この組織に含める。この省庁の責任、権限、仕事の内容は多岐にわたり膨大なものになることが考えられるが、大まかには以下のものとする。
1. 計画作成
危険地帯でかつ移住対象とする指定エリアを選定し、移転実施を行う優先順位をつける。該当するエリアの跡地計画を立てる。
2. 関連するデータの統合管理
後述する統合データベースを作成し管理する。今計画されているデジタル庁の機能ももつ。この省庁内に日本国のCIO(最高情報責任者)を置き、データ維持更新と機密保持の責任を持たせる。データ統合のための要件定義やシステム設計のためのスキルを持った要員を集める。開発、テストについては外注でも良い。
3. 移住対象エリアに住む人との折衝
該当エリアの住民世帯ごとに、移住の必要性、それによる効果、段取りなどを丁寧に説明し理解を得る。もちろん反対する世帯も多いと思うが、その意見を聞きながら説得活動を行う。そして移住先の斡旋、価格などを含む契約交渉を経て、引越しの相談やサポートを行う。このための要員が多数必要となる。
4. 空き家保有者との折衝
空き地・空き家の所有者が判明しているときは、当該物件の国への無償寄贈、もしくは安価での譲渡をさせる交渉を行う。これを行わなければ、所有者は永久に「負動産」として持ち続けなければならないはずである。また所有者不明の物件に対しては、一定期間の公示などの探索作業をし、それでも所有者を見つけられないときは、国有財産とする。