糖尿病モデルマウスへのMAFの効果
藤原隆史君はMAFがミトコンドリアを活性化するので、ミトコンドリアの酸素呼吸の燃料になる糖の代謝にもMAFが影響するのではないかと考え、2型糖尿病モデルマウスを用いて、MAFの効果を検証しました。
その結果を紹介いたします。(『紅茶とウーロン茶由来の高分子量ポリフェノール(ミトコンドリア活性化因子)のミトコンドリアの機能に対する効果』)
ヒトの糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は自己免疫疾患と考えられています。
何らかの原因でリンパ球が膵臓のランゲルハンス島にあるB細胞を攻撃して破壊してしまいます。その結果、インスリンを産生できなくなり、高血糖状態が続き、生存を危うくします。このため、高血糖を是正し生存するために、注射によってインスリンを補う治療が必要です。1型糖尿病は子供や青年でも発症します。
一方、2型糖尿病は、遺伝的な要因に運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症します。糖尿病患者のほぼ90%が2型で、中高年に多く発症します。
2型糖尿病では、インスリンの働きが悪く血糖値が下がらないインスリン抵抗性の患者さんや、インスリンの分泌が減っているインスリン分泌低下の患者さんがいます。高血糖が是正できない場合は、まずは運動療法や食事療法による治療が行われ、症状が改善しない場合は薬やインスリン注射による治療を行います。
2型糖尿病には、2型糖尿病モデルマウスが開発されており、糖尿病の研究に利用されています。藤原君は、中田和人教授の指導の下、2型糖尿病モデルマウス(BSK.Cg-+Leprdb/+Leprdb/Jclマウス。以下db/dbマウスと呼ぶ)に対するMAFの効果を調べました。