地震の被害を最小にする東京一極集中の是正

東京一極集中は、個人の安全の面からも、経済の持続可能性の面からも早急に是正しなければならない。もちろん今までも何度か首都移転とか分散化が叫ばれたことがあったが、本格的に取り組んだことはなかった。また筆者の記憶では、東京の歴代の知事は皆東京の縮小になることには反対で、堂々と反対する知事もいたが、なるべくこの件には触れない、としていたようでもあった。

この問題は、一極集中是正を国策として行うことと、かつそれに積極的な都知事を選ぶしかない。それには都民も、集中のリスクを自らや家族の、また職場の問題と考え、こういうことに前向きの候補者かどうかを見定める必要がある。

筆者は首都移転などは考えていない。国会議事堂のある永田町から中央官庁の並ぶ霞が関にかけては、建物も十分に間隔をとっているから、災害が発生しても人や車による移動はできるだろう。官邸や各省庁は、十分すぎるくらいの食料や燃料を備蓄するとともに、バックアップのシステムやデータを必ず遠隔地に置くようにしておけば良い。

それよりも経済活動の担い手である企業に関しては、同じ業界の本社はお互いに100km以上離した方が良い。今回のコロナ禍で、リモートワークやリモート会議が大幅に進んだことで、そう難しいことではないはずだ。

といっても官公庁との連絡や業界団体的な交流も必要で、それらは今後とも東京が中心になるだろうから、東京駅から1~2時間程度のところへの移転が良いだろう。