第三章 第三の人生スタート

今日は孫達と映画を見てマックで遅いお昼、四時頃息子達が迎えにきて解散。少し時間があったので、そのまま小説を読もうとホットカフェオレを注文して楽しい時間を過ごそう。三十分過ぎた頃、男性が近づいてきた。

「すみません、少しいいですか?」

「いいえ、小説を楽しむ時間です」と顔も見ずに、私って冷たい女だな。

男性は直ぐ離れた。

火曜日、教室に着いたら、今井さんはすでに準備をしていて、

「こんにちは」

「阿部さん、今日も素敵ですね」

びっくりする様なことをサラッと言う。

「あ、ありがとうございます」

少し恥ずかしい。

やっぱり二時間は直ぐ過ぎた。

「少し遠いギャラリーに行きましょう」

「えぇ」

電車を三十分程で着いた。表はギャラリーに見えない。

中に入るとアンティークな感じで、とても素敵で、奇抜な絵画、抽象的な絵画、好きな優しい色使いの絵画、とても楽しくて、もう閉館時間になっていた。

「友人に勧められたんです。気に入ってもらって良かった。僕の大好きなレストランが近くにあります。行きましょう」

「えぇ」

大きな道に出て、

「楽しかっ……」

「どうしましたか?」

前の方から元夫が歩いて来る。どうしよう。

「今井さん、ごめんなさい!」と言って手をつないだ。

今井さんはびっくりしている。すごい笑顔で今井さんを見て、

「すみません! 前から来ます青いセーターを着た人が元夫です。私も幸せアピールをしたいので協力してください」

「分かりました。阿部さん、男性は女性の腰に手を当てているのにすごいショックを受けます。失礼していいですか?」

と聞いてから腰に手を添えているが少し恥ずかしい。

「その方、ずっとあなたを見ていますよ」

「ウフフフフ」とつい笑みがこぼれた。

そのまま大きな建物の中へ入った。

「ありがとうございました」

「大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です」

「お茶でも飲みましょう」

カフェに入った。私はホットミルクを頼んだ。飲んだら少し落ち着いた。

「ありがとうございました。私の事を話していいですか?」

前置きをして話し始めた。