不思議な少年パート2

今井さん編

ある土曜日、いつもの様にリビングでゴロゴロしていると携帯が鳴った。

「きっと、裕太だな。裕太、どうした?」

「俊にぃ。又、イチャイチャしているでしょう」

「見えるのかい?」

「僕は、俊にぃーの事はよくわかるから。今日、友人がピザ屋さんオープンして、まなにぃーと六人で予約している。夕方、出て来てね」

「おーそうか。どこで待ち合わせする」

「いつもの駅前でね」

「オーケー後でね」

「残念だけど準備をしよう」

手をつないで出掛けた。六時頃、ピザハウスアリーズのお店に着いた。すごく素敵なお店で、今日は招待客だけでゆったり出来そうだ。みんなでワイワイ楽しく食べていたら、後ろを小さな男の子がトントンと。

「おじちゃん、何でそんなに幸せそうなの。何で楽しそうなの。何でおねえちゃんに、ア~ンしてもらっているの。何でこんなにいい匂いなの」

「ボク、すごくいっぱいの質問だね。先ずはみんなでいるとすごく楽しくて、嬉しいよ。おねえちゃんに、ア~ンしてもらっているのは、とってもたくさん美味しくなるからだよ。いい匂いはピザの香りかな?」

「違うよ。おじちゃん達の所だけいい香りがするよ」

「そうか、嬉しいな~」

男の子の母親が声をかける。

「すみません。変な質問ばかりしまして」

「いいえ、素直な良いお子さんですね」

「おじちゃん。ハグハグしていいですか」

母親はびっくりしているようだ。

「いいよー。又、どこかで会えたらいいね」

「ピザのおじちゃん、ありがとう」

手を振って席に戻った。