パターン(イ)の場合

【遺産分割協議書がある場合】

銀行預金各口座をどのように分配するか、相続人の間で協議決定して遺産分割協議書を作成し、それに相続人全員が記名・押印(実印)することが必要になります。すべて各相続人の印鑑証明書どおりの住所・氏名で直筆します。

大抵の銀行の場合、遺産分割協議書があれば相続届様式には受け取る相続人の記名・押印があれば大丈夫ですが、一部の銀行では、遺産分割協議書がある場合でもこの様式に相続人全員の記名・押印(実印)が必要になることがあります。

相続届様式の被相続人の住所欄は銀行届出上の住所と現在の住民票上の住所が異なる場合があるので、空欄にしておいて窓口で確認のうえ記入するようにしてください。

払戻しは、相続届様式で指定した相続人代表の口座または分割して各相続人の口座に振り込まれます。名義変更なら特定の相続人の名義に変更されます。

※相続届に記名・押印するのは、解約等手続きを行う代表相続人のみでよいか(その場合は各相続人から代表相続人への委任状が必要)、相続人全員分が必要か、あらかじめ銀行担当者に確認をしておくとよいでしょう。

パターン(ウ)の場合

【遺言書がある(遺言執行者がいる)場合】

遺言書がある場合は、公正証書遺言あるいは自筆証書遺言(検認済証明書付)を添付して、その遺言書に記載されている指定の相続人・受遺者に取得させるために、遺言執行者が単独で相続届に記名・押印(実印)することになります。記名は遺言執行者の印鑑証明書どおりの住所・氏名で直筆します。手続き後、遺言で指定された相続人・受遺者の口座に振り込まれます(図2)。

(図2)一般的に必要になる書類まとめ

特に農業協同組合や信用金庫、信用組合などの場合に、出資金があったり共済保険契約があったりすると書類が増えて若干難しくなります。もし面倒であれば手続きを専門家にまかせてしまう方法もあります。