素敵な方ね
孝介さん(93歳)、レイさん(90歳)はお子さんがなく、近しい身寄りもなく、お二人暮らしのご夫婦です。まず、家計を切り盛りしていたレイさんの方からアルツハイマー病が始まり、お金のトラブルが増えました。ところが、ほどなく孝介さんもATMから現金を引き出せなくなり、お二人暮らしが難しくなります。孝介さんは数々の重い心臓血管病を抱え、レイさんもリウマチ系の疾患を患い、お二人とも病院への通院を欠かせない状態だったそうです。
この度はレイさんの小腸に穴があき、腹膜炎の開腹手術を受けることになったのが、ご夫婦でサ高住「美しが丘」に入居されることになった契機です。お二人のご入居時にはすでに弁護士さんの成年後見人がついていました。入居にあたり、それぞれの契約を後見人さんが代理で行ってくれました。後見人制度の利用には申立人が必要です。
お二人の場合はお互いに判断力不十分となり、親族もおらず、なかなか難しいケースでした。その制度へ繋いでくれたのは孝介さんとレイさんを支援していた地域包括ケアセンターとケアマネージャーさん、病院のソーシャルワーカーさん達でした。さらに、お二人の病状を鑑み、自宅での二人暮らしの継続は困難であることやレイさんの退院先には医療介護支援が必須であることなどから、医療介護が手厚い当住宅に決めてくれたのです。
不運にも認知症になり、生活がおぼつかなくなった際に、財産管理や諸契約、諸権利の保護をしてくれるのが成年後見人制度です。利用にあたっては地域の家庭裁判所、市区町村の高齢者福祉課等、社会福祉協議会、地域包括支援センター、成年後見を業務とするNPO、ケアマネージャー等に相談するのが入り口です。お二人の場合は最終的には裁判所から札幌弁護士会へ推薦依頼が来て、弁護士会の高齢者障害者支援委員会が後見人を推薦してくれました。