ALS協会設立総会

次の日、私たちは朝食もとらずにタクシーで新宿駅へ向かいました。ある病院を予約していたからです。中央線で一路府中に向かいました。幸い方向が逆で、通勤ラッシュにはかからずホッとしました。

国立駅で降りてタクシーでF病院へ向かいました。F病院には、診察受付時間開始の9時ちょうどに着いたのに、待合室にはすでにたくさんの患者で溢れていました。東京都立神経病院はF病院の神経科の入院施設が独立した部門で、私たちは神経病院の先生にF病院で診察してもらうのです。

2時間ほど待って順番が回ってきました。結局診断は長崎大学病院と同じでした。目新しいことは聞けなかったけれど、神経に関しては日本一の病院で診てもらったということで、その診断結果を受け入れなければならないのだと悟りました。

病院から、佐世保時代の善一さんの同僚でアナウンサーだったOさんに連絡して、3時に新宿駅のプラットホームで待ち合わせすることになりました。結婚して、新宿に住んでいらしたのです。

新宿駅へ着いたのは午後2時で、約束より1時間も早く着いてしまい、たまたまその線のホームには椅子が一脚もなく困ってしまいました。善一さんはバッグの上に座り、私は立って待っていたのですが、電車の乗り降りが多く危険だったので、階段を上り、善一さんは壁にもたれて待ちました。

生後4ヵ月の赤ちゃんをおんぶしてやってきたOさんと、近くの喫茶店を探しますが、これまたけっこう歩かねばならないところにあって、善一さんは立って待ったのと加えて少々疲れてしまったようでした。