漫然とした薬の投与は体によくない!
薬によるがん治療として、抗がん剤というのはよく聞いたことがあると思います。
抗がん剤の投与による体への影響はどうでしょうか?
製薬会社の努力もあり、最近の抗がん剤の副作用は軽減しつつあります。がん患者の高齢化が進むことで、高齢でも抗がん剤を希望する患者さんやご家族も数多くいらっしゃいます。
「高齢だから手術までは望まないけど、薬の治療くらいはお願いしたい」
と、患者さんやそのご家族がおっしゃるわけです。私は
「手術はがんの切除という意味では局所療法であるけれども、抗がん剤は飲み薬であろうと、注射であろうと、全身をかけめぐる全身投与になるわけなので、ある意味副作用のリスクが高いですよ」
と、日常診療でよく患者さんやそのご家族に言います。
抗がん剤の種類にもよりますが、90歳で抗がん剤を投与するというようなケースは本当に恐ろしいと思います。
医師によっては、高齢者の抗がん剤の用量を少なくすることで対応することがありますが、それでは副作用は多少減るかもしれませんが、抗がん剤の効果も減弱してしまいます。
いずれにせよ、高齢でかつ全身状態も芳しくないにもかかわらず、安易な気持ちで抗がん剤治療を希望するのはリスクが高いということを知っていただければと思います。
薬が非常に多く処方される科としては、精神科が挙げられると思います。
精神科で処方される薬は、その他の科の医師からしても中止しづらく、中止したときの精神状態が非常に心配です。そんな精神科の薬の中で最も処方されるのが、うつ症状の改善のための抗うつ剤です。