小説 『あら、50歳独身いいかも!』 【第25回】 武 きき 離婚の危機!?――玄関を開けると、女性の靴が…? 寝室に向かい扉を開けるとそこには若い女性と夫の姿が… 【前回の記事を読む】明日は妻が来てくれる! 出張先でも会えることに喜んでいた夫、しかし酷く酔っぱらって帰ってしまい目が覚めると…心臓の音がうるさい。静まれ! どんな事があっても、美樹の手を離さない! ああ~、どうすればいい? 焦る。新幹線が遅く感じる。イライラする。家に着いた。美樹はいるだろうか。こわごわ玄関を開けた。美樹はスーツケースに荷物を詰めている。何をしているんだ!今日は、涼真さんのマン…
小説 『あなたの子供が生みたかった』 【第2回】 水木 三甫 夫の葬式に、ピンクのドレスで参列した。それは故人の希望だった。最初はお小遣い、次第に愛人契約を結んだ若いダンス講師とやっと●●できる… 悲しみを押し殺して、明るく振る舞う参列者に、天国の丸井泰三は思わず涙が出そうになった。「いやいや、いかん。私が泣いてどうするんだ」とひとり言。けれども天国という場所は、下界の人たちの姿・形や話している声はわかるのだが、心の中まではわからないようだった。実は妻の典子にとって、丸井泰三の死は願ってもないことだった。典子は、泰三より年齢が二十歳も若かった。派手好きな女で、もともとは泰三が足繁く通ってい…