人も自然に囲まれて暮らしていますから、その自然の営みを「気」や「水」、「陰」、「陽」などの言葉で説明したものです。それをもとに人の体の仕組み(生理学)を説明しました。

あとは西洋医学と同じで、病気になったらその体がどうなるのか(病理学)、そして病気の診断がついたら(診断学)、その病気に適した治療法、つまり煎じ薬や鍼灸、手術、気功、按摩、などから選んでいくわけです(治療学)。

それゆえ中医学は完成度の高い伝統医学であるといわれます。

現代医学は全世界共通なので、どこの国に行っても基本的には同じ考えのもとで治療を受けることができます。そして、現代医学が発達してきて人間の寿命が飛躍的に伸びてきました。

その点からすると、「人の命を助ける」ことに関して、現代医学は非常に優れていると言えます。これは医学の根幹とも言えます。

そしてこの医学は日々進歩しています。中医学で使われる薬も、最近は現代医学のステージ上で使用されることが多いため、科学的な側面から研究がなされています。

これは時代の要求でもありますし、大変良いことです。

さて、現代医学では病気の治療に際して、まず病気を解析してから、「どこがどう障害されているから、治療方法はこうする」と決めていきます。

したがって、その病気の仕組みが分かっている病気には強いのです。逆に、完全に良くわかっていない病気になった場合など、治療方法もないことも実はあります(ただ、起こってくる症状を取ることや、命を助けることには長けていますので、根本的には治らなくても状況を改善することは出来ることが多いのです)。