そして3年が経ち、園路を歩くと野山の花々に囲まれ、たちまち異空間に没入できる素敵なブリティッシュガーデンになりました。訪問診療のたび、庭のうつろいを楽しんで帰ってきます。もちろん、入居者さんたちも介護士に支えられながら、散策してくれています。しかし、一番楽しんでいるのは私かもしれません。
このような外部環境は常にうつろい、変化があり、適度な刺激を入居者さんに与えていると実感します。こうした庭があることで、住宅の内側以外にも人間関係の刺激を適度に調節できる仕掛けにもなります。人に疲れた時には庭でぼーっとたたずむと楽になれるのじゃないでしょうか。
開業してもうすぐ8年。目下の悩みは皆さん、出不精なことです。これだけの庭ができ、住宅内から皆さんが景色を愛でて喜んでくれる。しかし、皆さん、本当に出不精なんです。年を取るとこうまで面倒くさがりになってしまうか?と驚くほど、外に出られない。
日光浴は骨を強くするためにも大事であり、外に出ることは脳の活性化、体の活性化にとても重要なのです。住宅スタッフや訪問リハビリスタッフに繰り返し、できるだけ外に連れ出すようにお願いしています。年に2回、ご家族さん、ご近所さんを招き、ガーデンパーティを行っています。皆さん、大変楽しみにされ、この時ばかりは喜んでお庭に出られます。