フリーズドライ製法による、日本初のカップみそ汁誕生へ。

そんなある時、たまたま新宿のホテルの地下にあるスポーツクラブでトレーニングをしていたら、以前、商談で当社を訪れたわらべや日洋の大友社長(故人)に出会った。

「大友社長、大変ご無沙汰しています! 今は何をなされているのですか?」
「上野さん、新しく移動式のおにぎり販売店を始めたので、見に来たら?」
「わかりました、ぜひ見せてください」

実はこの出会いが、日本で初めてカップみそ汁を当社が開発したきっかけとなったのである。大友社長と言えば、パン業界と総菜業界で知らない人がいないくらいの有名人。調理パンやおにぎり、弁当を開発してヤマザキパンやコンビニのS店に納めていて、わらべや日洋で一部上場企業に名を連ねている。

実は、父が他界した二ヶ月後、大友社長はわずか三人で当社を訪れていた。「三人で会社を始めたので協力して欲しい」との話で、取引しているうちにヤマザキパンはじめ大手の製パン会社に調理パンを納めて大成功。たちまち何千人もの社員を抱える会社に成長したのである。

市場規模の大きい潜在需要にヒットして取り込むことができれば、小さい会社も大会社になれるという典型的な例だ。問題は潜在需要を見つけてヒットさせることができるか否かである。