-------歯医者激戦区-------
あちゃー、また寝落ち。寝違えた上に、乾かさないで寝た頭も…、ヒドイ。歯みがきで三緒と並ぶ。俺の頭を見て、吹きそうになっている。
てめー、このー、人がゆすぐの待っててやってるのに、いつまで磨いてんだよ! わざとか?
さこさこさこさこ。。(磨く音)
…いつまで磨くんだコラ!
「はーやーふー、ふーちーゆーふーげーよー!(早く口ゆすげよ~!)」
もういい!俺が!と腰をかがめた瞬間、コップを持って人を押しのける。うあああああ腹立つ、、なんでもいいから早くどけ!! こちとらアタマもヤバイんだ!
実験に失敗した怪しい科学者のごとく、全体的に右に流れ爆発してる。ワックスを駆使して、どうにか外に出かけられる頭にはなった。
最後に家を出る俺。なんでもない日常に幸せを感じる。
緩い坂を下りると、最寄駅までの間に短い商店街が続く。この辺りはどういうわけか歯医者激戦区で、駅から徒歩5分圏内に、4軒もある。そのどれもが潰れずに続いているのは、ここいらには歯の悪い人が多いのか、または歯のメンテに熱心な人が多いのか、それとも客層で住み分けが出来ているのか?
不思議だった。