第8話「離婚、そして再婚」
私は家を出る決心をしました。空にも何かあっては大変だと思ったからです。実家に行った所で意味はありません。夫を止められる人物はいないし、母が気味の悪い男と私の弟がいるアパートには行く気にもなれなかった。
まずは近くの交番に相談してみようと考えた。夫がパチンコに出て行ったので今がチャンスと義母に言うと私も行くと言うので一緒に行く事になった。義母は私が出て行ったら自分が何をされるか分からないから私も一緒に行くと言いました。私もそうした方がいいと思った。
近くの交番に行くとおまわりさんに市役所に行く様にと言われ、市役所に行き、色々と事情を説明しました。話をきいてもらっている間もずっと夫の事が気になっていた。もう帰って来てないか考えるともう胸がドキドキしてどうにかなりそうだった。そのまま市役所の人達と一緒に家に帰り、とりあえずいる物だけ持って市役所の人達の車に乗り、一時的に安全な場所へ避難する事になりました。
机に「探さないで下さい」とメモを置いて家を出ました。私はいつまでもドキドキしていました。空は何が起こったのか分からない様子で市役所のお兄さんにアイスを買ってもらって嬉しそうに食べていました。とりあえず空のランドセルを持って、義母はなぜか冷蔵庫からジュースを持って、私は夫が帰ってこないかそればかり気になって、本当に大した物を持ち出す事ができませんでした。
建物に着きました。そこには何組かの親子がいました。そこでしばらく他の人達との共同生活が始まりました。これからどうするかを相談しました。毎日3食出してもらって、服や布団も借してもらって、自分達の部屋と当番の所を掃除するのが毎日の仕事でした。掃除や洗濯をしていないと、テレビを見るぐらいしかする事が無いのです。
テレビも一つしかなくて皆で見るから自分の見たい番組は見れません。たいてい皆でニュースを見ていました。
そして私と空の行く所が見つかりました。そこには義母は一緒に行く事ができないといいました。義母も行く所を見つけて向かえに来てもらい、私達よりも先に出て行きました。
夫が何度か警察へ行っていたという事を聞きました。夫に見つかったら連れ戻されるんじゃないかと心配になりました。また怒ってなぐられると思いました。
でも、そんな事にならずに空は新しい学校へ行ける事になり、私も新しい場所での仕事探しが始まりました。しっかり働いて自分で空をしっかり育てていくんだと私は決意をしました。
思いのほか早く仕事は見つかりました。私は空と二人の新しい生活を楽しみました。二人で歩いて買い物に行ったり電車に乗って町まで出掛けたり、何だか自由になった気持ちで楽しく過ごしていました。
やはり空は体が弱く、よくかぜを引いたりお腹を悪くして学校を休む事がありました。だけど私達のいる保護施設には昼間職員がいてくれたので職員の人が時々空の様子を見てくれました。他のお母さん達も安心して働く事ができるので、そんなに仕事を休まなくて良かったのです。とても助かりました。
妹とも連絡を取って母や弟の様子なども聞く事ができました。時々差し入れをくれたりして助かりました。