「接し方がわからない」「予想外の反応に戸惑う」大人の発達障害に悩むのは本人だけじゃない。長年、医療福祉相談員として働いてきた著者が語る、ともに向き合い、仕事をしていくうえで必要なこと。本記事では、職場で発生するコミュニケーションの問題と対応策を紹介していきます。

隠れている職場の期待

発達障害の傾向がある人に対し、周りの人は感情的なずれを感じ、発達障害の傾向がある人自身もストレスを感じます。

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一般的に、職員同士、出会いから始まり、人間的なやり取りを通し、人間関係として発展します。しかし、発達障害の傾向がある人に対し周りの人は、はじめの驚きから些細な感情的なずれを感じ、なかなかほかの人と同じような人間関係を築けず、繰り返される不調和へのストレス、怒り、嫌悪感につながっていきます。

もちろんすべての職員がこのように感じるというわけではなく、近くにいる人、職務上関係のある人により多く感じられます。また、発達障害の傾向がある人もストレスを感じます。多くは仕事に関することで、自分のことを理解してもらえない、あるいは仕事がうまくできないということです。

発達障害の傾向がある人と周りの人がいる、という状況はひとつですが、同じ現場において、悩んでいることが一致しません。発達障害の傾向がある人は自分のことで悩みますが、周りの人はその人のことで悩みます。悩み方、ストレスの感じ方が非対称的です。