私が小学生の頃
私が小学生の頃 いつも農作業で忙しかったかあさん
ゆっくり話した記憶がない
あまえて遊んだ記憶がない
昔はみんな
毎日毎日忙しく働いている人の姿から
いろんなことを悟り いろんなことを学び
いろんなことを考えた
かあさんからも たくさんたくさん教えられたよ
朝 暗いうちから畑に出て 一日一日の野菜の成長を観察し
楽しんでいたのでしょう
天気が良すぎても心配
雨が降り続いても心配
野菜作りは自然に逆らえない
あきらめずに毎年毎年 何十年と 作り続けたかあさん
小さい時
小さい時 私の家族は 十四、五人でした
朝 暗いうちに
かまどに火をおろし 三升の米を炊く
かあさんの後姿を見た
並んだアルミの弁当箱に
次から次へと ごはんを詰めていくかあさんは
テキパキ若かった
「まだ早いから寝とれ」
おしっこして また寝た自分がいたことを
少しだけ思い出した