捜索開始

公園には人っ子一人おらず、その静けさを保っている。ショーを見つけるのは簡単だ。すでにピョコンと一番右端のブランコに乗っている。ブランコに乗っているといっても漕いでいるわけではない。

ショーは私を見つけるとブランコから降りてきて、私の手を引いていく。これはブランコを動かせという合図だ。私は煙草に火を点ける間もなくブランコの横に連れて行かれる。仕方がないのでブランコのチェーンを掴みブランコを揺らし始める。これでショーは落ち着くのだ。

ああ、今日もまた今から二、三時間はここに居る羽目になるのだろう。いや半日位は覚悟が必要か……。ブランコを小さく揺らしている。

ショーは満足しきった顔でブランコの左右のチェーンを握りしめニコニコしている。私はブランコを大きく揺らすと煙草に火を点ける。やっと一服できる。しかし、自然の法則は無情である。

まだ煙草が半分以上残っているのにブランコの揺れ幅はみるみるうちに小さくなってくる。やがてブランコは止まってしまう。