-------スクール・デイズ-------
朝。夜更かししようが、早く寝ようが、朝は弱い。
今日も、早起きだがいつも最後はバタバタになる母が慌てて用意してくれた朝食をとり、父、母、三緒、俺の順に家を出る。
科目では世界史の好きな俺は、好きなミュージシャンが影響を受けたアーティストを辿って聴き込むのが好きだ。どこをどう辿っても、UKロックに辿り着く。
ザ・ビートルズ、ローリング・ストーンズ、キンクス、レッド・ツェッペリン。70年代パンクやニューウェイブ等、世界を席巻する音楽の一大ムーブメントはいつもイギリスから。誰か一緒に俺とUKロック演ってくれるヤツ、いないかな。
とりあえずはコピーでも、ゆくゆくはオリジナル。出来れば自分でアレンジもできる、センスのいいヤツ。とりあえず昨日の、ちっこいキース・ムーンにあたってみるか…。
「シナユー、たらたら歩いてっと間に合わねーぞ!!」
陸上部の佑(たすく)が、すげぇ勢いで抜かしていった。しゃーねー、走るか、、、追いつけるかな。
イヤホンを仕舞って気合いを入れる。脳内を流れるクイーンのドント・ストップ・ミー・ナウ。
風が…
最高に気持ちいい。
たまに眠くて白目むく日もあるが、基本、授業中は寝ない。自分で選んで取った授業は特に、寝たらもったいない感。
プッ、寝ないのが当たり前だよな。しっかりしろ~俺~。
中学の3年間は、ドラムが叩けるから、と勧誘された吹奏楽部で過ごした。同学年は、ホルンで入った雄大と俺、男子は二人だけ。