いわく、テンポが良くて勢いがあるし、きつくて攻撃的な言い方をしても、言葉が尖ってないから感じ悪くならないと。得やなぁ、関西弁。サウンドとして捉えても、確かに明るく、気が大きくなるし、シャイな東北人には便利なツールか。
言い回しはともかく、言わんとするところはわからなくもない。
とくに、仲間内から名字ベースの愛称で呼ばれてたら、そうだろう。
いざ、その立場にならないと、その気持ちってわかんないんだよな。
俺的にはシイナでもスズキでもババでも、なんでもありだけど、物心ついた頃から自分のものとして認識していたものを、半永久的に手放す気分ってどんなだろう。
察してやれ、裁判官。
その手の裁判で、旧姓を使いたい当事者に不利な判定を下すのは大抵オッサンだ。まっ、オッサンにはわかんないか…と思いを巡らしている間に、西日の照り返しがきつい緩い坂を登りきり、家に着いた。