第四章 実際の教育活動の中で輝く「教育哲学」

(2)授業編~魚を与えるのではなく、魚の獲り方を与える~

授業に関しては、「効率のよい暗記術」や「主体的、対話的で深い学び」について勉強することも、もちろん大切です。しかし教師にとってはそれ以前に、「もっといい授業を作ってやろう」という心意気が大切です。

その心があれば、自然と読書したり、人に聞いたりするものです。そのうえで、そもそも授業はなんのためにあるのかを考えることが大切です。

授業の目的は「教科書に書いてあることを素直に丸暗記させること」でしょうか。この力はこれからの時代にはあまり価値をおかなくなると思います。インターネットがあるからです。

2018年末、アメリカのニュージャージー州で、6歳の子どもがスマートスピーカーに宿題の算数をやらせている動画が話題になりました。用語の意味を出すことや計算の正解だけを目的とするならば、すぐにインターネットでできてしまうということです。

では「教科書に書いてあることをわかりやすく伝える授業」でしょうか。それももちろん大切です。それを必要としている子もたくさんいます。