心不全、低蛋白で呼吸困難がひどかったのですが改善しました。
若い方なら退院ですが、ご高齢で以前より歩行機能が低下していたC・Mさんは、長期臥床のため歩けなくなってしまいました。
歩行リハビリを行いましたが回復ははかばかしくありません。C・Mさんも独居です。結局C・Mさんは息子さんの居住する地域のケア施設に入所されることになったのです。
そんなC・Mさんを含め10日間で8人の方が退院可能となりました。肺炎、潰瘍からの出血、脳梗塞など病気は異なりますが驚いたことに8人のうち2人が高齢者世帯、あとの6人は独居でした。その上1人を除いて7人はいずれも80歳以上の方でした。
改めて地域の高齢化の進行に驚くと共にこの方々が入院されるまでは歩いて通院されていたことです。交通過疎の地域で皆さんどんなに苦労して通院されていたのか改めて痛感させられました。
さてMさん、C・Mさんに限らず今まで通院されていた方も通院困難になられたり、家での生活が困難になられると施設に入所されます。それが今生の別れになってしまいます。
「いつもこんな風に症状を訴えてスタッフを困らせたけれど、その後どうなったのだろう」と思うのですが亡くなったことを風の便りに聞くだけになってしまいます。
「最期の時は先生に看て貰いたい。全て任せたいと思っています。だから私が死ぬまで先生も元気でいて下さい」。
長く地域で医療をやっておりますとこんなことを言われる患者さんが多い。ずっと診てきた患者さんの最期も看取ってあげたい。そうできれば医師としての本望と思います。
しかし核家族の中で、家庭でのマンパワーが無くなった昨今、どれだけの患者さんにこの約束が果たせることか。いずれにせよ自分の健康にも気を遣わなければと思います。