第一部 八荘源
第二章 青春の宴
三
「それじゃあこうしよう」と中条が元気付いていった。
「二十人のうち実は十人は処女で、残りの十人は、ええと……」
「非処女ってわけね」と早苗がいたずらっぽく言った。
「童貞当てクイズもないと不公平じゃない?」
「まあ、それは勘弁いただいて」と中条は言った。
「今から投票用紙を配ります。まず、そこにある二十の欄に処女には○、非処女には……」
「バツと言うのは変よ」とまた早苗が突っ込んだので、中条は大汗をかいた。
「それでは二重丸を書き込んでもらうことにいたしまして、しばらくしてから結果を集計いたします。そこで大きく意見が食い違った場合には、少数意見の人に、その人の判断の根拠を説明していただきます。例えば二十番の女の子が処女でないという人が小林君一人だとしたら、小林君は処女でないという理由を説明してください。それに対する反対意見がありましたら、わたし中条が受け付けますので……」
「分かったよ、まあやって見ようや。でも、年頃の女の子たちの顰蹙を買っても知らんぞ」
「あら、一人だけ責任逃れはダメよ」