所長は席を立ちながら、ふと顔をしかめました。

「風邪でもひいたのかな。頭痛がするんだ」
「玄米スープですぐ治りますよ」
「そうだね。もしガンだったら、玄米スープの効果を証明できるからちょうどいいね」

「所長、冗談はやめてください。そんなことより、もっと柔らかい玄米を作ってください。私はこの玄米が硬くて思案投げ首です。パーッと圧を上げて炊きたくなります」

「吉川さんがそういう事を言い出すのではないかとひやひやしてましたよ」

という訳で、後日所長の研究室でお弟子さんたちと一緒にさまざまな実験をしました。

目からウロコ事件も続出。多くの学者や研究者が玄米は完全栄養食品と位置付けていますが、実は炊き方しだいで毒にも薬にもなる諸刃の剣のような食品なのです。