2 玄米スープの開発に成功

玄米スープとの出合い

相変わらずめまぐるしい日々を送る私に、友人が

「ねぇ、行ってみましょうよ。とても不思議な会社があるの」

行って見てビックリ。この工場、個人や企業を問わず様々な実験ができる施設なのです。実はこの工場で行った諸々の実験が弊社の開発食品や健康維持指導の原動力となっていることは申すにおよびません。

諸々の実験も終盤に近いある日のこと、ふと覗いた隣の研究室。ビックリ仰天。ビーカーに入った数十種類の玄米が産地別に分けられていて、その横にレトルト袋に入った食品らしきものが寄り添うように並んでいたのです。

「工場長! これ何ですか?」
「これはですね、玄米博士に頼まれて作ったんですよ」
「そうですか……」

私の目が釘付けになっているのを見て、工場長はこう言いました。

「実験ですから、どんどん作っているんですよ。どうぞ。差し上げますよ」

その袋をわしづかみにして私に押し付けたのです。

私は帰社するやいなや、天然理学研究所の市川博所長に電話しました。しかし、連絡が取れません。

数週間後、やっと市川博所長と新宿でお会いできました。市川所長は、天文学を勉強するうちに農作物にも興味がわき、ついに玄米にまで研究が進むことになったとのことで、私にとっては玄米の神様的存在の方でした。市川所長も私どもをとても大事にしてくださり、ひんぱんに小さなピザハウスを訪問してくださいました。