「日本人は何と自然を熱愛しているのだろう。何と自然の美を利用することをよく知っているのだろう。安楽で静かで幸福な生活、大それた欲望を持たず、競争もせず、穏やかな感覚と慎しやかな物質的満足感に満ちた生活を何と上手に組み立てることを知っているのだろう」。(出典:「逝きし世の面影」 渡辺京二 平凡社)。

日本は開国以来、西洋の文明とともに発展してきましたが、自然との共生という社会的遺伝子(MEME)が備わっています。しかし、西洋的な科学技術文明を受け入れたことで、自然への接し方がややあやしくなっています。

環境意識に関する国際比較では、日本人の環境問題に対する関心は高いのですが、実際の行動については、時間とお金もないと答え、行動については図1にある9カ国の中では最も低い。

[図1] 環境意識に関する国際比較

図2は世界8都市の比較ですが、東京は、環境意識については、ロンドン、パリと並んで、高いのですが、お金を払うことには、抵抗感が強く、言行不一致となっています。COPや国連気候変動交渉会議で、日本は化石賞表彰の常連ですが、現在の日本人の環境意識は決して高いとはいえないようです。

[図2]  環境意識に関する国際比較