第2章 変遷する発達障害
就職してからわかる
大人になってからわかる場合、就職し仕事を始めてからが多いですが、子どもが発達障害だとわかり自分も同じような傾向があると思った親もいます。しかし基本的に、精神科に受診し、検査を受け診断されなければ、はっきりとは言えません。
しかし精神科は医療機関ですから、何らかの精神的な不調がなければ受診には至りません。検査だけ受けたいというのは保険診療にはなりませんので、内科などほかの科でも同じですが、自費です(自費で検査をしてくれるところがあるかどうか、私にはわかりませんが……)。
職場で悩みを抱え、精神症状が出るくらい苦しんでいる人すべてに、発達障害の傾向があるわけでは、当然ありません。その人の状態、何に悩みや不安を感じているのか、職場での状況、幼少期やこれまでのエピソードなどから、発達障害の傾向を含め判断します。
就職してからわかるということは、繰り返しになりますが、不思議なことです。就職するまでは、多少問題もあったかも知れませんが、それまで問題にならなかったということになるからです。