セカンドオピニオンを作ろう
中村:紹介状の弊害は、一般の患者にはどうしょうもできない問題ですよね? 患者はどう対処すればいいのでしょうか。
溝口:患者はセカンドオピニオン、サードオピニオンを作るほかありません。一人の医者の意見を丸呑みにしていては、良くなるものも良くなりません。かかった医者が一流であればいいんですが、一般の患者はその見分け方がわかりませんからね。多くの意見、見解を求めるという意味においてもセカンドオピニオン、サードオピニオンの存在は欠かせません。
私の患者で、十何年も睡眠障害で悩まれていた方がおり、一日1~2時間程度しか寝られず、ずっと睡眠薬を使用されていました。しかし、鍼治療で睡眠障害が改善され5~6時間ぐらい眠れるようになりました。
そこでその患者がかかりつけの医者に「5~6時間は眠れるようになりましたので、薬を減らしてもらえないでしょうか?」と相談したところ、「薬をやめるなら、もうあなたの体は診ませんよ。私の言っていることを聞かないと知りませんよ」と怒鳴られたそうです。
私はその患者にセカンドオピニオンを勧め、別の医者に診てもらうようアドバイスしました。すると、別の医師からは「徐々に減らしていき、もしそれでもちゃんと眠れるようでしたらやめてもいいですよ」と言われ、大変喜んでおられました。医者が違うだけでこんなにも見解が違ってくるのです。
中村:一人の医者の意見を丸呑みするのは本当に怖いですよね。とはいっても、大手の病院でも検査だけやって、その後どういう治療をやっていけばいいのか? そこまでちゃんと指導してくれるお医者さんは少ないですよね。たとえば整形外科の先生とか。
溝口:全部とは言いませんが、大手の病院でも治療らしい治療はやってくれません。定期的な検査・診察の繰り返し。患者もどこに行けばいいのかわからないというのが本音。ちゃんと最後まで面倒を見てくれる医者にかかれない患者にとってはまさに「路頭に迷う」状況です。
そして、「治るものも治らない」「改善できるものも改善できない」「悪化するべくして悪化する」という現実が患者の目の前に立ちはだかっているということです。
中村:こうやって検証していくと、お医者さんも絶対的存在ではないということがわかってきました。でも、患者はお医者さんを神様のように思っていますけどね。