はじめに
なぜあの人だけ1億円売れるのか? 転職エージェントのハイプレイヤーを見て、そう思ったことはないでしょうか。
本書は転職エージェントの中でも上位1%より少ないハイプレイヤー達、年間一億円以上の売上を上げ続けるプレイヤーのノウハウを凝縮した書籍です。
著者自身が億プレイヤーであることから、自身の行動を分析し解説している内容になっています。同業者である転職エージェントのプレイヤーと、良いエージェントとうまく組んで自社採用を伸ばしたい採用担当者達に向けて執筆しました。
本書に登場する事例・人物・企業名などは、関係者のプライバシー保護および営業秘密の保全の観点から、一部の内容を変更している場合があります。
現在、キャリアを考える中で「転職」を選択肢に入れない人は少なくなってきています。かつては新卒一括採用のみで行っていた企業も、今や中途採用なくして企業の成長戦略を描けません。
日本の労働人口は減り続け、各所で人材不足が叫ばれています。それに乗じるようにエージェントの数は増え続け、現在、人材紹介免許を持っている事業者数は3万8000を超えました。これはセブンイレブンとローソンの店舗数を足し上げた数字よりも多いのです。※1
まさに「大転職時代」を迎えた今、我々エージェントのマーケットは過渡期に入っています。企業が直接スカウトを行い人材獲得を目指す「ダイレクトリクルーティング」も盛んに行われ、生成AIの登場により情報の希少性も薄れてきました。我々エージェントは、この業界の過渡期という荒波の中に身を置いている状況です。
我々Flareも2025年に創業したばかりで、年収帯800~2000万円クラスの層をメインターゲットにしている、いわゆるハイクラス転職特化の両面型(用語集1-1)エージェントです。
そしてまさに業界の過渡期の荒波に小舟で漕ぎ出したばかりの会社です。会社としてはまだ小さいですが、この業界に約10年身を置き、成果を上げ続けてきた一人のエージェントとして、これまでのノウハウを結集させ、本書を制作しました。
我々のような人材紹介業は50年前から存在するビジネスであり、元を辿れば米国のヘッドハンティングモデルや英国のエグゼクティブサーチのビジネスモデルが、当時採用広告掲載マッチングモデルや派遣ビジネスが主流だった人材採用マーケットに参入したことで大きく拡大してきたマーケットであると理解しています。
ヘッドハンティングとは、我々がエージェントとして行っている領域とは少し異なり、企業が指名した人物にあらゆる情報網を使ってリーチし、口説き落として採用するというものです。年収にして数千万円以上の方々を探すようなモデルですね。
一方エグゼクティブサーチとはその少し下の層、1000万以上くらいの層を狙うような紹介モデルです。そのエグゼクティブサーチの両面型のモデルが守備範囲を広げ今のようなマーケット感になっていると理解しています。
かつては「閉ざされた情報をいかに持っているか(誰がどこの会社に勤めていて……等)」が我々の持つ情報価値でした。しかし、今世界は情報に溢れています。しかも2025年以降世界を席巻しているAIは、この人材紹介マーケットにも破壊的なインパクトを及ぼすと考えています。
情報のマッチングだけであれば、人間がやるよりAIがやったほうが圧倒的に数もさばけて精度もいいとなると、AIが最初のマッチングを作り、後工程の面接は企業側でやってもらうようなモデルのほうが成果がでるかもしれません。
それに加え、未経験層や新卒の仕事をAIが代替するようになってしまうと、必然的に求人数がガツンと減り、その領域で張っていたエージェントもこぞってハイクラス領域に進出してくるのでは無いかなと思っています。