【前回記事を読む】「ボクだけの、教科書たぶん必要です。捲って捲ってまた、矛盾です。」『庭ほとぎ』より詩6編
1.サークル・ゲーム
レモン
深き夜(よる)に
詩的営為(えいい)を成せよ、踊れよ
およそこの世界(くに)に生まれて
あの水(あお)い空を浮かべて
このレモンを沈めて
タアと言い、クルと回り
およそこの世界(くに)に生まれて
我もレモンのイメージで
詩的営為を成せよ、踊れよ
この深き夜に
朝
それは
まどろむ朝日の願い
こもりきった空気
澄んだ夢
二十一年分のため息
現実の違和感
暗い幻の巨像
見知らぬ親友の思い出
忘却の言語
逃げるための思想
憎しみの視線
その時、それは……
離れていく風景