これらをわかりやすく示すことができるのが、この本で解説するB CorpTM(Bコープ)企業の「サステナ経営」のあり方です。B Corpとはアメリカで発祥した国際的な企業認証制度で、2026年3月時点でパタゴニアやダノンなどを含む世界で約1万社がその認証を取得しています。
環境や社会への悪影響を低減する行動はもちろん、原料や調達方法、排出量といった一部の要素に対するものだけではなく、経営の仕組み全体を対象とした基準が設定されており、サステナ経営の根幹となるシステム構築の教科書とも言えます。
今日の地道な改善が明日の信頼へとつながり、明日の信頼はさらにその先の利益へとつながります。現実の競争市場では、この当たり前のことが二の次になることが少なくありません。しかし、経済性と社会性という2つの車輪を同じ方向に回す経営が基本の姿であり、それを「サステナ経営」と呼びたいと思います。
ここでの「サステナ」はサステナビリティ(持続可能性)の略で、自然環境・社会・経済のサステナビリティを考慮して、事業の持続可能性向上を図ることを目指した経営を指します。
本書で取り上げるB Corp認証をテコに実現する経営は「サステナ経営」と言えます。理念を理念のままに終わらせず、それをいかに実践に落とし込むかが重要で、その実践のヒントをB Corp認証を得た多くの企業の実例から学ぶことができると考えています。
共著者の1人である鈴木勘一郎は、立命館アジア太平洋大学(APU)教授として企業の経営研究を進めるとともに学生(学部やMBAで)に組織論、国際経営論、起業家論などを教えてきました。
それ以前は野村総合研究所の証券アナリストとして、企業の業績評価や新産業・ベンチャー企業の調査などを手がけた後、経営コンサルタントとして、企業の戦略策定や組織改革の支援を通じて多様な業界の現場課題を解決する経験を積みました。
その後は自ら(株)ジーエヌアイ・グループ(現東証グロース市場上場)を創業して、経営の最前線に立った確かな実績経験を有しています。
研究者であると同時に実務家・経営者としての視点を備えていることは大きな強みだと考えています。B Corp経営についても、国内でその存在がまだ十分に知られていなかった頃から注目し、ESG研究の一環としてB Corpの経営研究を深めてきました。
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