それは、世界を作り直すのと同時に神の記憶を修正する計画です。そうすれば元の世界を知るのは娘だけであり、元の世界に手を掛けるのも娘だけになります。全てのために自身が泥をかぶる。それが娘の考えた最善でした。
そうして時間を掛け、裏の計画も含めて準備が整った段階で神は計画の中止を指示しました。自身の能力によって娘の真の計画を知り、元の計画の問題点に気付いたからでした。
しかし、娘はこれが最善だと主張してやめませんでした。ここに対立が発生しました。全能の神に劣る娘は、神に到底敵わないと思われていましたが、覚悟の熱意の差から終始娘が優勢に進みました。
天使達も娘の主張の正しさに共感して従う者も現れる一方、神の主張の一貫性の無さからどちらにも所属しない者も発生し、分裂の様相を呈しておりました。
最後の時、神は覚悟を決めました。自身のこれまでの覚悟の無さがあらゆる問題を生んだことを認め、自我を捨てて唯々全てを維持するだけの存在となる覚悟を。
もはや甘さの無い存在に手も足も出ず、それまでの泥沼の様相からは考えられない、まさに神業で勝敗は一瞬で決しました。
終戦から現在まで世界は維持されています。
ルキフェルは消息不明と記録され、神もまた現在まで何らかの反応も示しておらず、多くの謎が未解決となっております。