相続税は2億円以上 土地を売らないと払えない
父親の財産は7億円台。その約8割が不動産で、800坪の自宅と8か所の貸宅地です。税理士法人によると、相続税は2億円を超える見込みだと説明されています。父親名義の預貯金は約8000万円。残る納税資金は土地を売って捻出するしかありません。Kさんたちもその覚悟はあり、土地を売却して相続税を払おうという算段ではありました。
ところが、遺言執行者の都市銀行は、相続税の納税資金をねん出する目途が立たないといいます。7億円以上の財産があるのに、相続税が払えないというのです。
公正証書遺言なのに、内容はまったく配慮されていない。
素人以下? 失敗?
遺言書の内容は「自宅の800坪を3人で3分の1ずつ相続すること」と書かれていて、とても現実的ではありません。
自宅に住んでいるのはKさんだけで、妹さん、弟さんは同居はしていないし、土地を共有しても困るばかり。貸宅地はKさんが相続するとされていますが、妹さん、弟さんは自宅の土地を売らないと納税できません。
こんな内容の遺言書なのに、遺言執行料は700万円というのです。
依頼しているのに親身になってもらえない アドバイスも、ノウハウも、ない
貸宅地を売らなければ納税できないことは明白で、遺言執行者の都市銀行は系列の信託銀行に売却を依頼しました。貸宅地の相続評価は2億円です。その価格で売れると相続税は払えるのです。
ところが信託銀行から返ってきたのは、「この貸宅地8か所まとめて売っても4500万円にしかなりません」という驚きの回答。
さらに遺言執行者の都市銀行は「足りない分は融資するので、それで相続税は払えます」と、こちらの窮地につけこんで融資を持ち出すとはまるで他人事のような対応。その態度に神経を逆なでされたとKさんは言われました。
税理士法人も「評価や申告はするが節税の提案はしない」と、必要最低限の業務しかしてくれません。相続税は2億 3500万円から下がらないといいます。それだけでなく、質問への返答もすぐには回答がないため、ストレスがたまるばかり。
ひとつ、ふたつの理由ではなく、いくつもが重なり、「本当にこの人たちに任せて大丈夫なのか?」という疑念がKさんの中で膨らんでいきました。
切羽詰まって“納税期限まで5カ月”で相続実務士に相談
「父が亡くなってから5カ月。申告期限まであと5カ月しかない……」
このままでは納税できず、借金をして財産を維持する羽目になる。切羽詰まったKさんが来られたのは、申告期限まであと5カ月しかない頃。追い詰められたKさんは藁をもつかむ思いで情報を集め、私の本を読んで頼ってみようと一歩踏み出されたのでした。
私たちは状況を確認し、切り替えてもらえば結果は出せると判断。すぐに銀行・信託銀行・税理士法人との関係を終了するよう提案。Kさんも思い切って、すべての依頼先を変更する決断をされたのです。
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