第1章 医療
指導
「今日は下がっていますよ。頑張りましたね」。
糖尿病で通院されているMさん。糖尿病の状態を示すグリコへモグロビン(A1C)がこのところずっと上昇を続けていました。前回受診時のデータでA1Cが7.7%を示したので重点指導の対象としました。
「指導を受け生活が間違っていることがわかりました。糖分を控えていればいいと思っていましたが、栄養状態が良くないから食事はきっちり食べていいと言われました」。少し誇らしげにMさんは語ります。
化石医師は500名以上の糖尿病患者さんを診察しています。そのうち70%以上の方がA1Cは7%以下で良好な結果を示しています。しかし1時間に14名以上も診察するような外来ではなかなか思うような指導はできません。それならと取り入れたのが糖尿病重点指導です。
糖尿病療養指導士が時間をかけて対象患者さんからじっくりお話を聞き、その上で食事や生活指導を行うものです。担当者からは毎回患者さんの生活状況、食事状況、行った指導内容につき数ページにわたる詳細なレポートが届きます。
まだ統計学的なまとめは行っていませんが指導後の受診ではほとんどの方でA1Cが前回よりも低値を示しています。重点指導は継続して行うようにしていますが、今後長期間にわたってA1Cがどのように変化していくか興味あるところです。